2008年02月26日

先生、泣いてもいいの?

ベビーシッターに出かけたある日の出来事。

お話はほんとですが、お名前、お歳、場所などは、変更しております。


その日、私はかりんちゃん(4歳)のお迎えに保育園にいきました。


お迎えに行くと、かりんちゃんは、なんとなく、お元気がありません。


お部屋から出て来られる時も、
先生にさよならする時も、
うつ向き加減です。


おて手をつないでも、力がありません。


「あれ〜?どうしちゃったかな?」そう思い私は先生に、
「なにか、ありましたでしょうか?」ちょっぴり聞いてみました。

先生「少し、お疲れかもしれません。お元気にたくさん、遊ばれていましたが、今、みんなでゆっくりビデオを見て、眠くなられたのかもしれません」
先生はそう教えてくださいました。


私「ねぇ、かりんちゃん、しんどいの?どこか、痛いとこがあるかな?」


かりんちゃん「・・・」

私「お熱かなあ?
ちょっぴり、おでこにお手てをあてるね」


私はかりんちゃんのおでこに手を当ててみました。

私「熱はないようですね〜。お疲れでお眠かなあ?しんどいところ、痛いところはなあい?」

かりんちゃん「・・ないよ・・」
元気なく答えるかりんちゃん。

私「ないのね、じゃあ、帰りましょうか?」
そう言いながら、かりんちゃんをだっこして、帰りのお荷物の用意をしました。


手に触れ、だっこして全身に触れると、
なお一層お元気ないのが、伝わってきます。

そして、園を出て、おうちへの帰り道を二人で歩いていました。


かりんちゃんは、とぼとぼ、足取りが重そうです。
私「かりんちゃん、眠いの?」

かりんちゃん「・・・眠くなんかない・・・」小さなお声です。


私「そう、眠くないのね、なんかね、かりんちゃんがお元気ないから、ど〜しはったかなあ〜って先生思って」

かりんちゃん「・・・ふう〜、先生、あんまり話せんといて・・・」


あれれ! かりんちゃんを怒らせちゃった!
と思いながら、 なんか、ご機嫌悪いな〜。
お友達と喧嘩でも、しちゃったかな?

そう思いながら、


私「そうだよね、ごめん、お話したくない時あるよね、ごめん、ごめんなさい」そう言って
二人しばらく手を繋いで静かに歩いてました。


でもね、繋いでる私の手を、だんだん、かりんちゃんが、ぎゅ〜と、握りしめてきはるので、

あ〜やっぱり、なんかあったんだな〜って思っていました。


おうちに近くなってきた時、

かりんちゃんが「先生、先生は、子供の時泣いた? 泣かない子だった?」聞いてこられました。


私「先生ね、すご〜く泣き虫だったよ。良く泣く子供だったんだよ」


かりんちゃん「先生、泣き虫やったん? 」

私は元気よく「そ〜よ!すごくよく泣いてたよ。今でも泣き虫かもね(^^)」と、ちょっと笑いながらいいました。


かりんちゃん「先生、泣いて、怒られた? 泣いちゃだめって!」

私「そ〜ね〜、よく怒らたよ、お母さんに泣き虫はダメって、怒られたよ。
男の子には、泣き虫〜っていじめられたりしたよ」


かりんちゃん「そ〜かぁ・・・、先生も泣き虫で怒られたんね」
かりんちゃんが、ちょっとだけ、元気になられた感じがしました。

「先生も」と言ったかりんちゃんの言葉が、ちょっと気になった私でした。


おうちについて、かりんちゃんは、とてもしんどそう。


ぐったり横になってしまわれました。


おしんどそうなので、熱を計りましたがお熱はありません。
しばらく、横になっていただく事にしました。

すぐ、夕食の時間になって、おねいちゃんと私がかりんちゃんを呼びます。


でもご飯は食べたくないそう。


お姉ちゃんはお腹がすいてはり、イライラ気味。


お姉ちゃん「かりん、早くごはん食べよう!食べたくないからって、寝てたらあかんわ〜、お母さんに言うで〜」とかなり、きつく言われます。


私「かりんちゃんは、なんか今日、しんどそうやし、無理に食べなくて、今休憩して、食べたくなってから、食べてもらうね。」
とお姉ちゃんにお話しました。

でも、お姉ちゃんは、なんだかきついご様子。

お姉ちゃん「先生、かりんは仮病や、ご飯食べたくないからやわ。〜、ずるい!!」

するとかりんちゃんは「ちがうわ、ごはん、食べるわ」とプンプン怒って、起きてテーブルにつかれました。


私「かりんちゃん、大丈夫?無理やったらいいんよ」と言いますと

「食べる」と言われました。

三人でいただきますして、夕食がはじまりました。

でも、かりんちゃんは、お箸は持たれても、
すぐ置かれます。

お姉ちゃんは、食欲がおありで、パクパク食べておられました。


でも、かりんちゃんの様子を見て、
お姉ちゃん「かりん、たべんか!食べるって言ったのに嘘つき!!かりんの嘘つき!!」
容赦なく、きつい言葉が飛びます。

かりんちゃんは、みるまに涙が出てきて、
しくしく泣きだされました。


私「お姉ちゃん、なんかね、かりんちゃんは今日、しんどそうなの。お姉ちゃんも、ご飯食べれない時もあるでしょう。しばらく様子みてあげよう」

するとお姉ちゃんは、
「泣き虫、かりんはすぐ泣く。。。」
と、言われました。

そのとたん、かりんちゃんは、大声をあげて、泣き出されてしまいました。

私は、かりんちゃんを抱っこしました。
抱っこして、背中をなでました。

あ〜お姉ちゃん、かりんちゃんの地雷ふんじゃたなあ〜〜と思って、
私「お姉ちゃん、あまりしんどい時に、きつく言わないで。同じ言葉でも、もう少し、優しく言ってあげて。お願い、ねっ。お姉ちゃんはお腹すいてるみたいなので、ご飯たべてね」
と言いました。


するとお姉ちゃんは「かりんはほんと、泣き虫やから!」
今度は少し、お姉ちゃんは、優しく言いました。


でも、かりんちゃんは「泣き虫ちがう、泣き虫違う!かりんは泣き虫ちがう!!なんでかわからんけど涙でるの〜。なんでかわからんけど、泣けてしまうの〜」と、私の胸の中で、大声で、泣きながら、叫ばれました。


私もお姉ちゃんもその、大声と怒りに、びっくり!!しました。


私「そう、かりんちゃは、泣き虫ちがうよね〜。わかった、わかったよ。なんでかわからんけど涙でるんだよね〜。なんでかわからんけど、泣けてしまうんだよね〜」


そう言いながら、なんだか、私も涙が出そうになる。


かりんちゃんは、しばらく泣いて、そして落ち着かれました。

私「かりんちゃんがあんまりなかはるから、先生、涙が出てきちゃった。。。かりんちゃん、大丈夫?」

ってお聞きしました。

するとかりんちゃんが「先生は大人なのに、泣いていいの?」と

落ち着いて言われました。

私「大人だって泣くよ。先生は、多分、大人の今も、泣き虫かもしれない。だから、泣く時あるよ」

かりんちゃん「先生、かりん、泣いていいの?
かりんも泣いていいの?」と言いながら、また大粒の涙が かりんちゃんの目から、溢れてきました。

私「泣いていいよ。 なんだかわからないけど、涙が出てくるんでしょ。 先生もそんな時はあるよ。そんな時、泣いてるよ」
と言いました。

かりんちゃんはなきながら、ヒックヒック言いながら、
「先生、かりん今日、〇〇先生とお約束したの。もう、泣かないって」

私「あ〜そうなんだ、泣かないお約束したんね。今日、かりんちゃんは泣いたの?」

かりんちゃん「かりんは、今日も昨日も、泣いたの。お昼寝起きたら、いつも泣いてしまうの。泣かないように思うけど、なんでかしらないけど涙がでるの。お昼寝起きたら、なんでかしらないけど泣けてしまうの。」


私「そうなんね、かりんちゃんは、お昼寝起きたら、なんでかわからないけど、泣いてしまうんね。」

かりんちゃんは泣き出して、「でも、今日、〇〇先生と、お約束した〜、お昼寝起きた時、もう泣かないってお約束した〜。でも、かりんはまた泣いてしまうかもしれないし、そしたらお約束守れない〜。」とわあわあ、泣き出してしまわれました。

私は、あ〜、かりんちゃんが、元気なかったはず。

もう泣かないってお約束した事が、とても、かりんちゃんの心の負担になってたんだ。

私はかりんちゃんをぎゅっと抱きしめた。


お子様は、お昼寝起きは、不安定になられる事もあるでしょう。そう私は思います。

そして「かりんちゃん、わかったよ。わかったよ、お約束嫌だったのかな?」と、聞いてみました。


かりんちゃん「泣かないお約束しても泣いてしまうし、かりん、泣いてしまうし〜・・・・・」

私「わかったよ、かりんちゃん、大丈夫、ママに、ご相談しよう。お昼寝起きてね、泣き出してしまう事、小さい時にはあるよ。そしてお昼寝から起きて泣き出してしまうお友達は、他にもいるでしょ。かりんちゃんだけじゃないでしょ。大丈夫!」
抱っこしながら、頭をよしよししていると

お姉ちゃんがティシュを持ってきてくださいました。


お姉ちゃん「あれ〜、かりんに持ってきたけど、先生も、涙でてるん?」


私「う、うん、なんかね、かりんちゃんがあんまり泣かはるから、ちょっと、先生も涙でてきたかな。えへ〜(o^v^o)」と笑う。
お姉ちゃん「しょうがないな〜」と言って、またティシュをとって私に渡してくださった。

「涙二人でふきふきごっこしよ〜」と、おどけてかりんちゃんに言うと
かりんちゃんは、笑って、私の目を拭いてくださった。


わたしは、もっとおどけてかりんちゃんの両目を、拭いて、 お鼻も、拭いた。
かりんちゃんは、どんどん笑顔になる。


そして、「先生、ママにお話してくれるの? そしたら、ママ、〇〇先生にお話するのかなあ? 」と、
ちょっぴり心配そうなお声のかりんちゃん。
私「大丈夫、かりんちゃん、きっと大丈夫よ。」そう、きっぱりわたしが言うと、

かりんちゃんは安心されたようだった。


私「ねぇ、お腹すかない?ごはん食べよう、食べよう」とかりんちゃんをお誘いしました。


かりんちゃん「なんか、いっぱい泣いたらお腹すいた。」


そして、かりんちゃんは、笑顔で夕食をパクパク食べ出されました。

食欲が出て、元気に夕食を食べはるご様子を見てると、
私もうれしくなってきました。


お母様がお帰りになり、事の次第を少しお話しました。

かりんちゃんもそばに来られ、
お母様に冷静に、話されました。

「かりんは、お約束して、しんどくなった。
かりん、お昼寝起きてまた、なんかわからないけど泣いてしまうし、なんか勝手に涙でるし・・・・・」
お母様は、「〇〇先生に、お手紙書いてみるね、かりんは心配しなくていいよ。」と優しく抱っこされました。

かりんちゃんは、とてもうれしそうでした。

このお話には後日談があります。


後で他の日に行かれたシッターさんが、
「お母様は、とても気にされるタイプの方なので、あまり細かい事は、私は申しあげないのです。」 と。


「そうなんだ〜」と思いつつも、
やはり子育ては、お母様、お父様が
お子さん、お一人お一人に関わって、いかれる事。

小さな事も細かい事も、私は、できる限り、お伝えしたいと考えています。とお話ししました。


毎日のひとつひとつが、家族を創っていく事に繋がっていると思うからです。


まして、長時間、お母様、お父様と離れて、
保育園で生活されていらっしゃるお子様は、大丈夫なお子様もいらっしゃいますが、時に少し、揺らぐお子様もいらっしゃいます。


大丈夫でも、揺らぐ時もあります。

そんな時は、やっぱりお母様、お父様の愛情が、とても必要です。

だだ、むやみに甘やかす事ではなく、

お子様を大切に思う気持ち、お子様を尊重する思い、愛しく思う気持ちが伝わっていく事が大切だと、私は思います。


お子さまの気持ちをよく聞いて、
気持ちを大切にしながら、
どうしたらいいか、家族で話をしていく。


愛情は、小さな事の中から、伝わっていくのだと、
私は感じています。



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