2008年02月12日
涙のあとで

三条大橋を歩きながら、鴨川に消える雪をみながら、ふっと昼間の事を思い出していました。
昼間、京阪電車に乗って、
烏丸御池に向かう途中。
ほんとは京阪は、御陵までであとは地下鉄になる。
私の乗った電車は、乗り入れてるので車両は京阪電車のまま、太秦天神まで向かう。
私はひとり、その京津線のボックス席に座っていた。
お気に入りの車両だった。
そして、かなりぼんやりしてたと思う。
蹴上を電車が出てからなんとなく視線を感じて、前をみると、
目の前の座席と座席の隙間から、
前の座席に座っているおばあちゃんの片目が、私をみてました。
私は、ちょっとびっくり。
目が合っておばあちゃんは、
前をむかれました。
そしてすぐ
「おねいちゃんに頼もう」という小さい声が聞こえた。
「うん? おねいちゃん?お姉ちゃんって言ったかな?」と思うわたし。
ガサガサ前の座席のおばあちゃんは、荷物を触っているよう。
それから、また、言った。
「おねいちゃん、頼むわ」
静かな車両にちょっと響いた。
そして電車が東山に止まり、発車すると、お
ばあちゃんは、危ない足取りで私の座席斜め前にやってきて、
「お姉ちゃん、頼みます。 これ、おぶわせて。」と言わはった。
私は驚いて、急いで立って、おばあちゃんに差し出された小さなリュックを、受けとった。
「はい」と笑って応じた。
おばあちゃんはくるりと背中をむけはる。
かわいい背中だな〜と思った。
私は、リュック紐をおばあちゃんの左手から通して肩にかける。
「お姉ちゃん、ありがとう。手が、回らんから、一人で背負えしませんねん。」おばあちゃんが言う。
右手にかけて右肩に紐をかけようとしたら、
電車が揺れて、おばあちゃんがよろめかはった。
思わず、「おばあちゃん大丈夫?」と私はとっさにおばあちゃんの肩を抱いた。
コートの上から抱きとめた肩は、やわらかな、小さな小さな肩だった。
そして、すぐ、体制を整え、右肩に紐をかけて、
リュックはしょえ終えた。
「ありがとう、リュックだと、両手が使えるし、楽だんね(*^o^*)」
笑顔のおばあちゃん。
電車は三条に着いた。
おばあちゃんは、何度もありがとうと頭を下げて、
電車から降りて行かれた。
私は、照れて、ふっと恥ずかしくなった。
でも、なんだろ、そのおばあちゃんの可愛い後姿を見て、
なんでもないのに、涙が出そうになる。
胸が暖かくなって、嬉しい涙がでる。
わたし、へんだな!って思う。
私はほんとに泣き虫だ。
小さな頃から泣き虫で、よくからかわれた。
悲しくて泣いて、
怖くて泣いて
怒られて泣いて
悔しくて泣いて
感動して泣いて
嬉しくて泣いて
笑いすぎて泣いて。。。
私はほんとによく泣く。
いつからか、泣き虫はダメだと思い、
そんな泣き虫の自分が嫌いになった。。。
ある時、そんな泣き虫の自分が嫌だと、話をしていたら、
ある人がこんな事を私に言った。
「泣けるっていいな〜。
泣けるってうらやましい。
がまんしてもがまんしても、涙が出てくるんだろ?
がまんしなくていいし。
泣きたい時泣けばいいし。
泣くって、あなたの特技じゃないかな?
泣く事をやめられないあなたにとって、
泣くって、大事な事だと思う。
それは、きっとあなたらしさなんだよ。
嫌っても否定しても、隠しても、
あなたのすてきなひとつの特性なんじゃないかな?」って。
私は、泣いた。
その言葉を聞いて
泣いた。
そして、私は心が軽くなった。
それ以来、泣く事は私の大切な事になった。
変えれない性格があったら、
もしかしたらそれは
生まれもっての素敵な性質なのかもしれない。
否定せずに、受け入れてみる。
嫌いに思う短所は、
言い換えると
実は長所になる。
涙のあとで、また、そう思いました。
写真は北野天満宮の黄梅です。
Posted by non at 23:07│Comments(0)
│はっぴいな日々
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