2008年11月15日

僕は悲しかったんだ

ある保育園でのある日の事。




その時、私は、4歳のふ〜君のお耳掃除をしていました。



ふ〜君が急に大きな声で「僕は悲しかったんだ」と突然、言いました。


私はちょっとびっくり。



でも、なんとなく、ふ〜君が言った事の察しがつきました。

ふ〜君とは、1歳の頃から、時々、この園で出会っています。


いつもではないけれど時々出会っていました。



ふ〜君は、いつも、もの静かで、あまりほとんど、自分から何も言いません。



こちらの話は、よく理解してくれていますが、
あまり反応がなかったりしました。



その彼と、今年はよく保育園で過ごすようになりました。



お耳掃除は、お気に入りのふ〜君。



その日の朝、泣きながら、保育園にやってきたふ〜君、


きっとその事だろうな〜と私は思いました。



ふ〜君に聞くと、やっぱりそうでした。

ふ〜君がいつになく、たくさん話をしてくれました。

そのお話は、
ふ〜君の悲しかった事でした。


その日は、ふ〜君の小学生のお兄ちゃんが振替で小学校がお休み。
それで、お兄ちゃんはおばあちゃんちに行って、お父さん、お母さんはお仕事。


「朝、お父さんと車で保育園に出かける時、
おうちの電気をお父さんが消したら、お部屋が真っ暗になって、
おうちに誰もいなくて、
なんだか、悲しくなった。


僕は悲しかったんだ。」


そう、お話してくれました。


「そうっか〜。朝、おうちから出る時に、誰もいなくなって悲しかったんだね〜。」

そう、私は言いました。


だから、泣いて園に来た。



お父さんは、「今朝は、ふ〜の機嫌悪く、すいません。熱もなさそうで、腹も痛くないみたいだし、玄関しめたら、急に泣き出したもんで。。。なんで泣いてるかわからないんやけど、保育園に行きたくないのかもしれません」とおっしゃってました。



そんな朝のやり取りを思い出しながら、ふ〜君のお耳掃除をゆっくりしていると、


ふ〜君は、また、話をしてくれました。

ふ〜くんも、おばあちゃんちにいきたかったのだそう。



朝、保育園に送ってもらう車の中で、お父さんに頼みたかったけど、言えなかった事も。



小さな胸がいっぱいになって、悲しかったんだな〜。

私は、そう思いました。


朝、お父さんとバイバイして、暫くして、落ち着いたふ〜
君のお耳掃除をしていた私に、ふ〜君が話してくれた、気持。


それをうれしく思いました。



ほんとにほんとに、ふ〜君は、殆ど、反応がなく、お話されない感じだったから。



ふ〜君は最近、自分の気持をよく言ってくれます。



この間は、ふ〜君はお昼のお当番をしてくれました。


今までは、絶対に、みんなにいただきますの掛け声などはしなかった彼でした。


お昼のいただきますの時は、「みなさん、ご一緒に、おいしいお昼いただきます」と
言うのですが


ふ〜君は、
「僕は恥ずかしいから、色々いわへんけど、いただきますしか言わへんけど、今から言います。」

と言って、
「いただきます
」と手を合わせ大きな声で、掛け声をかけました。



とても気持ちのいいいただきますでした。



そばにいたY先生もは
「ふ〜君、えらいよ。恥ずかしいから色々言わないって、ちゃんと、自分の気持をゆってえらいよ〜」とニコニコ。


Y先生は、いつもふ〜君を気にかけ、
優しい言葉かけや態度をされていらっしゃいました。



ふ〜君を暖かな思いで、みんな関わる先生は、みていました。


ふ〜君は、ほんとに、よくお話してくれるようになりました。


うれしいな〜(*^^*)
ふ〜君、ありがとう。