小児病棟の君へ

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2010年07月11日 01:37

お仕事で出会った素敵なお友達のつう君。

つう君は毎日、病院のベッドで過ごしていました。


ベッドから離れる事は、オッケーがでません。

(この日記は、事実に基づいていますが、お名前、設定等を変えています。)


つう君は、小さなお子さん。

笑顔がとってもすてき。

うれしい事、興味のある事があると目がキラキラ輝きます。

曲をかけると頭と体を使って、声を出して、楽しさを全身で表して〜(*^^*)のりのりです


いっしょに遊ぶのをとっても喜んで下さったお子さんでした。

そんなある日、小児病棟の皆は、看護士さんのお誘いで、お昼前、シャボン玉をしにお外へ。


わいわい、ガヤガヤ、みんな嬉しそう

看護士さんに抱っこしてもらったり、おうちの人にベビーカーをひいてもらったり、車椅子に乗った子供さん達等、多くの皆がお外へ大行進

その日はお天気がよくて、お外は気持ち良さそう。


暫くして、騒ぎが静かになって。。。


6人部屋の病室には、ぽつんと、つう君と私だけ。


すると、また賑やかな声が、何となく聞こえてきました。


皆の声だけれど、ボリュームダウンした感じ。


何処で声がするのかな?っと、見渡すと、つう君の病室の窓の外を病室から出た皆が、横切っていきます。


窓越しだから、声が小さく聞こえたのでした。


窓の向こう側を皆の行列が通り過ぎ、また、部屋は静かに。

ときおり、お子さんの声が少しだけ、聞こえました。


私は、つう君と、絵本を読んだり、 シャボン玉の絵を書いたり、お話したりしていました。


このお部屋の窓の外で、皆がシャボン玉をして下さったら、

つう君にも見えるのになあ〜(#^.^#)


私は、シャボン玉の絵を描きながら、 ふいに思ったのでした。

そこで、病室の窓から覗いてみると、かなり離れて、シャボン玉をしてる皆が見えました。皆たのしそう


ほんのほんの少しだけ、シャボン玉が、つう君のお部屋の窓に風で運ばれてきました。


「つう君シャボン玉だよ〜(#^^#)、見て見て〜」と言うと

つう君はベッドから、手をたたいて喜びました。


私は、窓の外、離れた所の皆に手を振りました。
なんとか、私の存在に気づいてもらおうと(^^)v


窓は開けれ無いし、声を出しても、あちらには聞こえません。

気づいて貰えるかも!と

つう君にお話しながら、手をふり続けてみることにしました。

「つう君、ここでシャボン玉して貰えるといいね〜(*^^*)」

つう君が笑ってうなづきます。


すると、すぐに、一人のおばあちゃんが、私に気づいて下さり、手を振り返えしてくださいました。

そこで、私は、 いろんなジェスチャーです。


おいでおいで をしたり、 シャボン玉をふくまねをしたり。。。


つう君は、 ゲラゲラ笑い出して

ちょっと恥ずかしい(*^^*)私


恥ずかしくなりながら、つう君と笑いながら、ゼスチャーをしていると、おばあちゃんは、 窓まで来てくださいました

そう、手にはシャボン玉。


おばあちゃんは、窓の所に来て下さってすぐ、私と同じように、ピョンピョン跳ねたので、つう君も私も、大笑い

おばあちゃんは、跳ねたり、くるりと回って、 ダンスのようにしながら、
シャボン玉をたくさん、して下さいました。


つう君は大喜び
歓声をあげました

そのおばあちゃんは、大きなシャボン玉作りの輪も持って来て、

つう君の病室の窓でして下さいました。

つう君とベッドで、
大はしゃぎしました


つう君、よかったね


小児病棟の皆さんは、あたたかな、優しい方でした。


看護師さん、先生、それから、ご家族の皆さん、 ほんとに優しい方々でした。


シャボン玉をして下さったおばあちゃんは、あまり知らないおばあちゃんでした。(後で、いっぱい、お礼を申しました)

つう君、
つう君も皆さんのように、優しい優しいお子さんでした

いつもベッドで過ごす君。

一緒にお散歩は1回きりだったね。


私達は、ベッドで、お絵かきや、絵本、電車ごっこ、色んな遊びをしました

手作りのおもちゃを持っていくと、とっても喜んで下さって。
だから、毎回、色んな手作りのおもちゃを作ってプレゼントしました。


スポンジの電車や、ポンポン芋虫、 おにぎりや巻き寿司、飛び出すカード、つう君へのお手紙絵本など、たくさん作りした。
どのおもちゃも家庭にあるもので、簡単に出来て、
遊びの広がるものをと、作ってみました


持っていくと、手を叩いて、目をかがやかせ喜んで下さったつう君でした。


うれしい事につう君は、どんどん回復され、 退院してお家へ。


そして、それは、お別れでした。


つう君の引越しもあって、もう、つう君とは、多分、私は、会えない。


小さなつう君に、「もう会えないと言う さよならは、きっと分からないかも」 と つう君のお母さんがおっしゃって。


私も、そうかなあ。と、思っていました。


ほんとに、最後のさよならの日、さよならの時、


お母さんが、
「つうには、わからないかもしれないけど、もう会えないかもしれないんだよ。

良かったね、いっぱい遊んでもらえたね。」 とおっしゃった時、

小さなつう君の目から涙が、滲んで出てきました。


お母さんは、「あ〜つうにもわかるんだ、わかるんだね、」と言って、涙ぐまれました。
私も、涙が。。。


すると、お母さんが、「ほんとにありがとうございました」とおっしゃって、少し泣き出されました。


私は、お母さんの手をとり背中を少しなでながら、泣きました。


お母さんは、つう君の長い入院生活、一生懸命、付き添いながら、いつも、つう君を支え、励ましておられました。


体力や精神的にも、とっても大変な時もおありでした。

傍でみていた私は、知っています。


泣かないでおこうと思っていたのですが、やっぱりダメでした。


素敵なお母さんとつう君にお会いして、

お仕事させて頂いた事、私は、思い出す度、あたたかな気持ちに、きっとなるだろうな〜(*^^*)と思います



元気でね、つう君〜(#^^#)


つう君、お母さん、優しい小児病棟の皆さん、ありがとうございました



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