せんの風になって

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2007年02月20日 00:27

突然、田舎のおじさんが、天国へ、旅立たれた。


しばらく田舎へ帰ってきました。



顔をみると笑みを浮かべて話をしてくれた。

でも、落ち着いていはって、いつも、いつも、もの静かなおじさんだった。


山が大好きだったおじさん。

風のすごく強かった先日、おじは山へ出かけ、
高い高い木の枝払いをしていて、
落下してしまったそう。

すごくすごく痛かっただろうな。


なんとも、残念な気持ちが、こみあげてくる。


最近、お葬式に出る度に、不思議な気持ちになる。

本当に人の命は、 不思議だな〜と。


私の父は最後のお別れをしにいき、おじさんの棺に向かって、
お花をいれながら、いつもと変わらぬ調子で話かけていた。


「なんで、なんで、こんな事に。。。ほんまに。残念や。
ど〜したんや。。。これからもいろいろ頼みにしてたのに。。。
なんてことなんや。。。
みんなをみんなを見守ってくれよ。
どうか、たのむで。。。ほんまにたのむで。。。」


父の目から涙がぼろぼろ落ちる。


私も、いっぱい泣いた。
最後のお別れにお花をたくさん、たくさん、棺にいれた。


おばちゃんは(おじさんのおよめさん)、「ビールを、棺に入れてもいいでしょうか?」と、葬儀やさんに聞いてはった。


「缶や瓶はだめやけれど、少しかけるのはいいですよ。」という事だった。


おばちゃんと私は走って、ビールをとりに。

冷蔵庫から、冷えた缶ビールを持ってきて、
おばちゃんはビールをおじさんにかけてあげた。

きっとおじさんはビールが大好きやったんやな〜。
そのおじさんが大好きなビールを、おばちゃんが、冷蔵庫で、冷やしていたんだろうな〜。

いつもの晩酌のために。。。


事故が起こるなんて、誰も思わなかったから。。。


このおばちゃんは、私の母が亡くなった時も、棺に母の大好きだった、野生の欄を入れてくれた。


母のお葬式で、棺を打ちどめする間際、
おばちゃんが葬儀の人に頼んでくれた。


「大好きだった小さな欄を摘んでくるので待ってほしい」と。


おばちゃんは、私の手をひっぱり、庭へ出て、欄を探した。


そして、探して探して。

ないので、私は諦めかけ、家からは、「もい時間ですよ〜」という声がしたその時、


おばちゃんは野生の珍しい小さな小さな欄を、見つけた。


花畑の隅っこに本当に小さな小さな欄がひっそり咲いていた。


ちゃんと花が咲いていて、
二人で大喜びした。


後でおばちゃんが教えてくれたのは、以外な事だった。


「実は、この季節には、あの欄は、ほんとは、咲いてないんや。花が咲く時期じゃない。
けど、なんか、ある気がして。なんだか、咲いてる気がして。
あんたのお母さんが大切にしてた花畑を探して、もしもし、あったら、棺に入れてあげたいと思って。
欄が咲いていたから、びっくりしたけど、やっぱりと思ったわ!」と。

私はその話を聞いて驚いた。
そして、今でも、とっても不思議な気持ちになる。


母もおじさんも、せんの風になって、自由に大空を飛んではるのかな?と思うと、

心が安らぎます。

今は、悲しみで、うちひしがれてはるおばちゃん。
お葬儀が終わったら、ゆっくりされて、またどうか、どうか元気になられますように。


そ〜と、アロマティックバスソルトを6種類、渡してきました。


香りがおばちゃんに心地よさを運びますように。。。


おじさんのご冥福を心からお祈りします。


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